不動産の売却にあたっては、その物件についてさまざまな調査を実施します。
そのなかでも考えておきたいのが、家の傾きです。
傾きは住んでいる本人では気づきにくいポイントなので、実感がなくても調べておく必要があります。
そこでこの記事では、家の傾きについて価格への影響や調べ方、売却する方法についてご説明します。
売却する際に考えておきたい家の傾きについて~傾きが価格へ与える影響~
家の傾きが判明した場合、売却時の価格に影響します。
影響の度合いについては、その原因によって変わるので注意しましょう。
柱や壁は垂直を保っているにもかかわらず、床だけが傾いている場合は、床材の腐食が原因だと考えられます。
修繕工事が必要になる部分が床部分に限定されるので、工事費はそれほど高額になりません。
床のみの傾きであれば、売却価格は相場よりも100万円ほど安くなります。
原因が床だけでなく、老朽化やシロアリ被害などによる基礎の沈下であった場合は、建物自体を持ち上げて修繕工事しなければならないので、多額の工費がかかります。
売却価格は相場よりも500万円ほど安くなると考えてよいでしょう。
なお、生活に影響が出るほどの傾きだと物件の瑕疵と認められ、売主に責任が生じるので注意が必要です。
売却する際に考えておきたい家の傾きについて~調べ方~
家の傾きの調べ方は自分でおこなうか、ホームインスペクションに依頼するかの2つです。
自分で調べるには、水平器を使用します。
水平器はホームセンターやインターネットで簡単に手に入るので、業者へ依頼する前の事前調査としてもおすすめです。
他に、スマートフォンのアプリを使用して調べられます。
ただし、やはり自分での調査では正確性に欠けるので、ホームインスペクションを依頼するのが最善です。
ホームインスペクターに頼めば、傾きだけでなく、家の劣化状態や欠陥の調査を全般的に実施してくれます。
売却する際に考えておきたい家の傾きについて~売る方法~
傾きが判明したら売却は難しいのではないかと、不安になる方も多いでしょう。
しかしながら、傾いているからといって売れないわけではありません。
購入者自身が修理工事をおこなうのであれば、傾いたままで売却が可能です。
その場合は工事費用を差し引いて、相場より200万円から500万円ほど安く設定して売るケースが多いです。
また、トラブルを避けるためにも、事前に傾きについて詳しく説明するように気をつけましょう。
手間や費用がかかりますが、工事してからの売却であれば、スムーズに売れる可能性が高いです。
価格を下げてもなかなか売れない場合には、業者買取も検討しましょう。