中古物件の取引において、インスペクションはとても重要です。
インスペクションを行うことで中古物件の状態が明確になり、売主と買主の両方にメリットをもたらすのです。
この記事では、インスペクションとは何か・どのようなことが義務化されているのかについて紹介します。
中古物件に大きなメリットを与えるインスペクションとは?
インスペクションとは、中古物件の実態調査のことです。
物件に欠陥はないか、不具合はないかを建築士が診断します。
インスペクションを行う建築士は、「既存住宅状況調査技術者講習」という国が定めた講習を受講した者に限定されています。
建築士は専門的な知識をもとにインスペクションを行い、中古物件の状態を細かく調査していきます。
インスペクションを実施した物件は、実施しなかった物件よりも「詳細な状態」が分かるため、購入に繋がりやすくなります。
修理が必要な場所に対しては、あらかじめ修理を施しておくと物件の買い手が付きやすくなります。
また、不具合の程度が小さければそのまま残し、購入希望者に伝える方法も選べますよ。
また、インスペクションには「瑕疵保険適合検査」も含まれています。
購入前のインスペクションでは不具合が見つからず、購入後に不具合が見つかったとしても、瑕疵保険に適合されると判断された物件には保証が使えます。
瑕疵保険の保証書は耐震性の証明として有効であり、住宅ローン減税のメリットが受けられます。
インスペクションの費用は、物件の種類によって異なります。
一般的な相場は5~8万円とされていますが、実際には建築士の交通費を始めとする諸経費がかかるため、詳細な金額は見積もり次第です。
中古物件のインスペクションで義務化された項目とは?
2018年4月に宅建業法が改正され、インスペクションに関する3つの項目が不動産会社に対して義務化されました。
1つ目は、インスペクションを行う事業者をあっせんできるか告知する義務です。
なお、インスペクション自体は義務化されていないため、インスペクションを行わずに物件を売り出すことも可能です。
2つ目は、買主に対してインスペクションを行っているか、行った場合は詳細な結果を伝える義務です。
インスペクションで住宅のどの部分を調査したのか、欠陥や修理箇所があったのかを、買主から尋ねられなくても告知しなくてはなりません。
3つ目は、インスペクションの内容を書面として残す義務です。
書面にした内容は物件の売主と買主の両方が確認済であり、納得したうえで契約を行っているという証明になるのです。
インスペクションの告知や書面化が義務化された背景には、「中古住宅市場を活性化させたい」という政府の狙いがあります。
インスペクションによって購入する中古物件の状態が分かっていれば、買主は安心して中古物件を購入できます。
インスペクションは売主にとってもメリットが大きく、物件の購入後に欠陥が見つかってクレームが発生するトラブルを防げますので、売却をお考えの方はぜひ検討してみてください。
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